最近新しくパチンコになった影響で、また名前を見かけるようになった。
朧げな印象ながら「とても好印象な作品だった」と僕の中の誰かがが言うのでザッと見直してみた。
アニメ版が二期と、OVA封入4話
ザッと、とは言ったが中々の量だった。ただし、感覚としてはあっという間。それぐらい魅入られだということだと思う。
第1期は26話。2期目は1クール(12話)ではあったものの、OVAに付いてきた外伝の4話もただのおまけでなく、物語の核心に迫る内容だ。
ここまで長期の制作をされながらも、一般的には無名(の部類だと僕は感じる)。もっだいない!
かくいう僕も、かつて先輩からの勧めを受けて見たのが最初。借りたままのDVDがいまも我が家のどこかにある(はず)。すみません
1期からは10年が経つと言うし、時間の流れはげに恐ろしいなと感じながらも
見直してみても古さはないし、以前見たときはどれだけ頭に入っていなかったんだろうと自分を軽蔑するほどに、内容が濃い。深い。
得てしてイイモノを見終わってしまった後に必ず訪れる虚無感や寂しさに苛まれながらも、今これを書いている。
“契約者”という異端者
出てくる人物たちは様々な国籍の連中ばかりなのだが、物語は東京を中心に描かれる。
“契約者”と呼ばれるそれぞれに特異な能力を持つ人々と、それを利用する集団や抑制しようとする集団、その他
様々な思惑が表や裏で交錯するのだけれど、正直伏線(らしきもの)や情報が多すぎて処理しきれない。
そういうところから当時の僕が何となく見ていたのだろうと推測するが、じゃあ何故見ていられたのかといえば
キャラクターが個性的、且つ作画が丁寧なのだ。
ドラマを観ているような感覚
キャラクターが個性的、とはいっても如何にもアニメ的な阿呆な格好をした奴らが出てくるわけではない
見た目は地味な連中が多いし、正直見分けがつかないデザインの奴らもいる。
それでも個性的に思えるのは、細かく細かく落とし込まれた内面の描写が為すところだと思う。
契約者たちは得てして極めて合理的な思考・行動をするため、一般的に「感情を失っている」と揶揄されている。
その特徴を色濃く描くためなのか、出てくる人物の感情が揺れる揺れる揺れ動く。ル○シーもビックリなぐらいに揺れる。
単純に活発なだけでなく総じて「哀しい」。これに尽きる。絡み合う繊細な心の描写に、何度もなんども持っていかれた。泣きまくった
個人的な想いではあるけれど
僕は音でアイとも読める哀しいという漢字には、”愛しくて仕方ないものから無理やり剥ぎ取られたようなカナシミ”を表現するときに用いる。
この物語ではそればかりが起こる。耐えられたものではない←
しかしその反面(大事なこと)、創作物であることの安堵と、その教えを痛感し、ついつい大気に向かい「大好きだ!!!」と無作為に叫びたくなる作用がある(個人差があると思います)。
即ち、愛の物語ではないのか!
美しい…。
作画は、観て貰えば一目瞭然
穏やかな生活をさも愛しく描くことも得意としながら、巷では評価の著しく高いという迫力と、スピード感の際立つ戦闘シーン。
隙はあるのだけど、隙間はない。という感じだが、
鑑賞中はドラマに魅入られてしまってそんな考察もしなかった。しかし冷静にこれを説明するのであれば、多次元に及ぶ周到さによるものだと思う。
これだけ大袈裟な風な文言を並べたが、更に特筆したいことがあと1つある。
音楽がいいのだ
1期は、かの菅野よう子氏が音楽を担当
アニメ界の伝説のような方。しかしそれに負けず劣らず2期のBGMも素晴らしい。石井妥師さんと仰るそうな。
第2期の主人公の黒(へい)が登場する際などに使われているフロアタムのような音と、とトタン屋根を叩いたようなBGMがカッコよくて僕はお気に入りでした。
物語良し、キャラクター良し、作画まで良くて、音まで良いとなれば、もうあとはいい椅子さえ用意したら夢心地。
そうは思いませんか。
OPやEDテーマは、個々のアーティストさん達が関わってきて少し毛色が変わってくるんですが、僕のお気に入りは何と言っても第1期のワンクール目のOP/EDですね。
abingdon boys schoolさんのHOWLING(OP)と、Rie fuさんのツキアカリ(ED)ですね。これは聴けば聴くほどハマってきますし、僕などは傍らにバンドマンなんかもやっておりますので
良い曲すぎて感化されて「俺はなにをやっているのだろう…」と逐一落ち込みながら聴いてましたね←
いやはや…。
長くなりましたが
説明を仕切らない感が多々あるもので「アレはなんだったのか」とwikiをまさぐり返していた僕ですが、
本当はそれを確かめ合いシェアすることが叶うならそれが良かった。しかしそれが叶わないぐらいには知名度が低い気がしているので、観てほしい。
エヴァなんかが好きな方には少し通ずる要素が後々感じられるのではないか…というのが僕個人の感想。
今回のパチンコがさぞ売れてくれたなら、エヴァの劇場版と同じレールの上、第3期の話も浮上してくれるのでは…と期待します。
まだまだ語り尽くせぬし、漫画版もあるとかで、終わらぬ物語。
是非とも鑑賞された際には語り合いましょう。
(僕が内容を忘れる前に)