忘れた頃に、こないだ連泊していた漫画喫茶でのネタを投下です。
今回は「ダンジョン飯」という漫画のお話。
なるべくネタバレのないように書いていきます。
懐かしくも新しい
昔、ドラゴンクエストシリーズの4コマ漫画劇場というものをよくよくみていたんですが
ダンジョン飯の、シリアスを踏まえた上で飛び出すユーモアの感じと、女性の作者さんならではの上品さは、その当時の記憶を思い出させます。
当時のジャンプっ子の僕は男性作家さんの作品に馴染みはあったんですが、4コマ漫画劇場は男女問わず多くの漫画家さんが参加されている中
女性の作風というのは違和感というか、新鮮さがありました。
このダンジョン飯はテーマから先ず独特なものなんですけど、このアイデアを思いつきはしても、なかなか男では作品に仕上げるのは難しいんじゃないかと思います。
あらすじ
今回もまたwikipedia先輩に頼るのは簡単なのですが、敢えて僕なりのあらすじをお伝えしようかと思います。
同世代の方には通じるであろうスーパーファミコンの「不思議のダンジョン」シリーズを模したような、そのさらに前なら「ドルアーガの塔」を模したような世界観。
最近ではとても多い設定な気もしますが
未知なるダンジョンに日々、数人パーティで挑み、財宝や成果を上げて生計を立てる、極ポピュラーなRPG風の風貌をした冒険者たちのお話。
物語はそんなとある冒険者たちの仲間がモンスター(レッドドラゴン)に囚われ、というか喰われてしまい、それを助けにいくぞーという無謀な話から始まります。
不思議なダンジョンの力により、ダンジョン内で死亡した人間は幾つかの条件付きで蘇生が出来ることになっているのですが
今回は喰われてしまったためにその条件に当てはまらない(消化されている)可能性が高く、何でもありのファンタジーではありながら、絶体絶命なピンチ感がいきなり提示されます。
そんな状況なんですが、どうにも締まらない主人公たちの振る舞いややり取りがあり
仲間が囚われ(?)ていることをしばしば忘れさせられてしまいます。
ダンジョン飯
この特有なるタイトルはそのまんまの意味です。
そのまんまの意味、と言って予想した通りのことが真新し過ぎてピンと来ないかと思いますが
ダンジョンで飯を喰うのがこの漫画の特徴なんです。
このダンジョン飯でいうダンジョンは、地下に地下に広がっていく構造。深く潜るときは何日も帰らないことがザラでもあるんですが
モンスターや罠など、危険回避のための備えは欠かせない中でも、生き物たるもの食料は必須項目。餓死する冒険者も多いとされるところなので、この問題は冒険者たちを悩ませていました。
そこで思いついても誰もしないこと「モンスターを喰べる」ということを、先んじて始めるのが主人公たちのパーティでした。
非難轟々
主人公たちのパーティでした、と書きましたが、これを言い出したのはパーティのリーダーでもあるライオスのみ
彼は兼ねてからモンスターを喰べることに興味があった、という変わった奴で誰が発行したのか不明ながら「迷宮グルメガイド」というものを熟読している。
ピンチはチャンス、とばかりにダンジョン飯を始めることになるのですが、それを皮切りにライオスの好奇心はエスカレートしていきます。
非難轟々だったパーティメンバーも「意外とイケる」ダンジョン飯に次第に心を開いていき、その思考が当たり前になっていく様子が面白い。
何より、ファンタジーでありながら、現実の料理レシピを参考にしたような食材の味や風味、クセを想像させる描写がとても巧く
観ているとモンスターが「想像上の生き物」であることを忘れるくらいに没入させられます。
これはほんとすごいし、気付いたらその歴代ファンタジーを踏襲しているモンスター達が
他の漫画に登場しても食材に見えてくるから困ったもの。
現在4巻まで
新刊が待ち遠しくてたまらない代わりのない独特な世界観。ユーモラスな展開が常で、観ていてもほのぼのとしていられる大変僕好みな作品なんですが、
時折、シリアスなストーリーに戻されたりしてそこにも余念がない感じがまた魅せられます
まだまだ短いお話ではありますが、興味が湧いた方は是非お手に取ってみてください。
面白いです。