9月9日、脅威的な台風が東京にやってくると、さんざん脅されてもピンと来ないまま
8日の朝から続けざま、夜通しの仕事に従事して
窓の外で泣きわめくつむじ風に一喜一憂、他人事のような感覚がある。
妻をひとりにしてしまった我が家は若干の雨漏りだという。
ファッキュー不動産。ヘルプミー不動産。
早く帰りたい。
稼ぎどきには稼がねば
8日。時間都合もよく、朝、昼、夕と三箇所の仕事を終えて、ひと段落
雨も降るかと思われた時間帯も曇り空で凌いだ。ラッキー。
異常な風と、湿気と熱気に割増で疲労感があったりもするなか
久方の友人と会えたのは吉でした。
仕事を一つ離れた、ということを書いたと思うが
そういう事情もあるし、相変わらず、仕事を選んでいられる立場にはないのだ。
コンビニエンスも人の沙汰
さぁ夜勤前に腹ごしらえ、と、甘いものでも用意しようかと思い
コンビニに行こうとしたときには時すでに遅し。
間近に迫る台風の対策もあってか、近所のコンビニは早め早めの閉店を決めていた。
各所鉄道会社が終電を早めたりしていたのもあるだろうし、
冒頭の注意喚起を賢明な経営者が間に受けて英断したのだろう。仕方ない。
いつまでも、あると思うなコンビニエンスストア(*歩いて15分のコンビニまで行きました)
仮眠
仮眠ぐスーン。
図らずも、日勤からの流れで職場に早く入って待機できたので
台風の”た”の字も感じないまま夜勤に突入。
とはいえ、雨には降られてないものの、汗でびしょ濡れた体は気持ち悪い。一刻も早く家に帰って風呂に入りたいが
思いのほか、心体共に元気である。
ケータイなど見ずにしっかり仮眠をしたことが効いている。
支障もなく、性懲りもなく
これといった問題なく、職場は整い動き始めた。
どのセクションも滞ったそぶりもない。現代人、ジャパニーズ人、東京モンの「そういうとこ」が出ちゃってる気がしつつも、
外の様子など露知らず、淡々と仕事をする。
「現代建築物の丈夫さたるや、モンスター級の台風にすらノーリアクションか」
そんな驕りすら見えたところで、職場にやや雨漏りが発生
総出でモップがけを繰り出して、押し返したり吸い出したりをした。
若干の麻痺を自覚しつつも、その全身を使った運動には後日の筋肉痛をよきせずには居られなかった。これはアウト
しかし、やはり家の雨漏りが気になるほかは些事に思えた。呑気なものである
始発の頃
(仕事の終了)予定時刻は6:00。でも鉄道会社の対策により、始発電車はどうやら8:00過ぎの模様
仕事を終えて、仮眠というには本域の疲労と、逆らいようのない睡魔に襲われながら
急がば回れ、果報は寝て待てと言い聞かせてこれまたタイムリープ(アイムスリープ
7:30、目覚めてみれば更に始発が遅れているとの情報。正直待ち切れない気持ちだ。なんせ「帰りたい」なんて気持ちは、1日前の寝起きから思っていたこと。
心一つ。待ち兼ねた同僚たちとタクシーに乗り、一先ずは新宿駅まで行こうぜってなことになった。
嵐の後の静けさ
そこら中に可燃ゴミや人ごみが散乱しているものの、綺麗になった街の空気。
タクシーに乗った後で、情報に更新があり、新宿でもまだ電車は止まっていることがわかった。
蒸れないムーニー。群れない男。「じゃあ」と1人、街に繰り出すことにした僕
雨も上がって生ぬるい風が吹くばかりの朝。感覚としては長い1日が続いてるけれど、実際は2日目が始まっているし、ここまで来ると開き直ってしまう。
コンビニエンス同様、そもそも店員さんも人。活動限界があること
いつだかの震災の頃の東京のような、人がいた痕跡と気配をまとった、仮初めの無敵都市を解剖、探訪
普段の自分(現代人)の心(いつでもどこでもなんでもある)を戒めに向かった。
なんつって
よく考えたら新宿のこと全然知らない。
この時間帯、いつもなら開いているお店がわかっているとしたなら
「おうおう異常事態だな。いつもなら開いてるのに」とか訳知り顔も出来たことだろうけれど、
「ドンキホーテは外にブルーシートかかってるけどフツーに営業してるわワオ」と、寧ろ無敵都市の無敵都市たる姿を目の当たりにしてしまった
24h営業ってほんと凄いことよね。
途端に深みのない学びのない散歩であることに気づいてしまったので、
程度よく美味しそうで、安価で、清潔感のある、出てくるのも早そうな、且つ他の街でなかなか見ない店舗で(注文が多い)ご飯にします。
台風の目
僕はつくづく「人生は回転である」と立ち戻ることが多くて
色んな言葉を紡ごうと目論んでも、結局は同じことを言っているんだなとつまらなくなるのだけど
今回の主役たる台風ですら回転をしていた。
目新しいことをしようとしても、落ち着くところは変わらない。それは僕が僕でしかないからで、避けようのない事実
刺激的なこと、貴重なことがイイモノなんじゃないかと血迷って、よくわからない欲でもって遠回りや寄り道を選ぶけれど
やっぱり回転。還る場所は原点たる。
台風が何のためにこうも災害を起こすのかって突き詰めても、そこに理由はないのだと思う。
押し込められて、引っ張りあって、為すがまま為されるがままにやってるのは大気も同じ何だろうと思う。
人間はそれの逆を行くことも選べるから特殊だなとは思うけれど、
それでもやっぱり腹のなかはガキの頃から変わらない方位磁針が回ってる気がしてる。
9:30、電車が動いた。やっと、帰れる。
帰るために出掛けてる。